梅雨に入ったあたりから、うちのワンコがなんとなく元気がない…。
ごはんの食いつきも悪くて、いつもより寝てる時間が長い。
「ただの気候のせい?」
と見過ごされがちなこれらの変化、 実は東洋医学でいう“脾(ひ)”の不調サインかもしれません。
特に湿気が多くなる梅雨は、脾に大きな負担がかかる季節。
この記事では、今のうちからできる“脾”の養生ケアを わかりやすく、実践的に解説していきます。
梅雨の「だるさ・胃腸トラブル」は“脾”のケアで予防できる
湿気の多い季節に見られるワンコの不調、実は“脾”が関係しています。
東洋医学では「脾は運化(うんか)を司る」とされ、 消化・吸収・エネルギー変換・免疫の源となる大切な臓腑です。そして湿気に弱いのがこの“脾”。 梅雨になると水分代謝が落ち、 食欲不振・胃腸トラブル・だるさ・免疫力低下が起こりやすくなります。
つまり、脾のケアが梅雨の体調管理の鍵。 ワンコの体調変化も、見逃さずに整えていくことが大切です。
なぜ脾が不調になるのか?
“脾”は消化やエネルギー生成、気力の維持に関わる中心的な臓腑です。
東洋医学の視点:脾の役割
東洋医学での「脾」は、 食べたものからエネルギー(気・血)を作り出し、 全身に巡らせる消化吸収の司令塔とされています。
また「脾は肌肉をつかさどる」「脾は気を生む」など、 筋肉のハリ・気力・免疫力にも直結します。
特に“湿”が多くなる梅雨は、脾の働きが弱まりやすく、
- 食欲の低下
- 水っぽい便や下痢
- 舌の白さ・口のねばつき
- 動きたがらない・だるそう といった症状が現れやすくなります。
現代医学の視点:腸・自律神経との関係
腸内環境は免疫機能の約70%を担うとされ、 脾の不調=腸の機能低下と捉えることができます。
東京大学農学部の研究によると、腸内フローラのバランスが崩れると、 体内の炎症性サイトカイン(IL-6やTNF-α)が増加し、 だるさや代謝低下を招くことがわかっています。
さらに、日本獣医生命科学大学の調査では、 湿度が75%を超えると犬の食欲低下・睡眠時間増加が有意に見られると報告されています。
梅雨に負けない“脾”ケア実践法
季節性の不調は、日常のちょっとしたケアで大きく変わります。
日常で見られる脾の不調サイン
- 朝ごはんの食いつきが悪い
- 床にべたっと寝ている時間が増えた
- 水っぽい便が増えた
- お腹を触ると冷たい
改善策:食事と触れ合いで脾を養う
【おすすめ食材】
- かぼちゃ:脾を温め、エネルギーを補う
- はとむぎ:余分な湿を排出し、肌にも◎
- しょうが:内臓を温め、代謝UP
- さつまいも:胃腸に優しく、食物繊維も豊富
※温かく煮る・蒸す調理で脾へのやさしさUP
【脾経タッチケア】
- 後ろ足の内側から腹部までをやさしくなでる
- リズムよく「ぬくもり」を伝えるように
【お散歩の工夫】
- 湿度の低い午前中に短時間でも外へ
- におい探索→消化とメンタルの刺激に◎
科学的裏付けとデータ
- 犬の腸内細菌バランスの変化は、3日間の高湿環境下で顕著に変化(日本獣医内科学会誌)
- 食物繊維摂取で腸内短鎖脂肪酸(酪酸)が増加し、腸管免疫が約30%活性化(国立健康・栄養研究所)
- 湿度75%以上での行動変化(活動量低下・平均睡眠時間増加:約1.5時間/日)
脾を整えれば、梅雨のだるさも乗り越えられる
大切なワンコ、10年後も元気に歩いていてほしいと思いませんか?
梅雨のじめじめした毎日は、見えないところでワンコの体力をじわじわ奪っていきます。 でも、それを防げるのは、毎日そばにいる“あなた”のケアのチカラです。
「脾」を整えることは、ただの健康管理じゃありません。 それは、将来の“寝たきり予防”であり、 あなたとワンコが長く笑顔でいられる“未来への投資”です。歩く、食べる、じゃれる、見つめ合う。 その一つひとつの「当たり前」を、できるだけ長く守ってあげるために、 今の季節にこそ、やさしいケアをはじめませんか?
梅雨は“だるい・眠い・お腹ゆるい”の三重苦になりがち。 でも、脾を意識したケアを取り入れることで、 気力・胃腸・肌・免疫までしっかりサポートできます。
今のうちから対策を始めれば、 湿気や気圧に左右されないワンコの土台作りに。
あなたの“ひと手間”が、ワンコの健やかな未来をつくります。
そして何よりも—— 毎日のちょっとしたケアの積み重ねが、 将来「介護いらずのワンコ社会」を実現していく大きな力になります。
歩ける、食べられる、笑える。
そんな“健康寿命”をのばしてあげることは、 飼い主としての大きな愛情のカタチです。
あなたの“ひと手間”が、 未来の動物たちの幸せな社会をつくっていく第一歩になります。
それが、あなたとワンコの関係にとって どれほど価値のあることか、きっと実感できるはずです。
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