「漸進的筋弛緩法(PMR)」とは?ストレス社会で注目されるリラクゼーション法
「最近、ストレスが溜まって疲れが取れない…」
「緊張しやすくて、リラックスするのが苦手…」
そんな悩みを抱えている人におすすめなのが、「漸進的筋弛緩法(Progressive Muscle Relaxation:PMR)」 です。
これは、アメリカの生理学者 エドモンド・ジェイコブソン博士 によって考案されたリラクゼーション法で、筋肉の緊張と弛緩を意図的にコントロールすることで、身体と心のリラックスを促す というもの。
実は、今から約45年前、私自身が大学でこのPMRについて学びました。
当時は漠然と「体と心の結びつき」に興味を持っていたのですが、研究を深めるにつれて 「脱力こそが心身の健康のカギになる」 ということに気づきました。
では、漸進的筋弛緩法とはどんなものなのか?
また、現代のストレス社会において、なぜ注目されるのか?
詳しく解説していきます。
漸進的筋弛緩法(PMR)とは?
PMRは、「筋肉の緊張→弛緩」というプロセスを意図的に行い、全身のリラックス状態を作り出す方法 です。
基本的な流れ
- 特定の筋肉に力を入れて、数秒間キープ(緊張)
- 一気に力を抜いて、筋肉をゆるめる(弛緩)
- このプロセスを体の各部位に順番に行う
例えば、手の筋肉なら…
① 手をギュッと握りしめて5秒間キープ → ② パッと力を抜いてリラックス
これを、腕・肩・首・顔・背中・脚…と、全身の筋肉に順番に行っていきます。
すると、緊張が解けた筋肉はさらにリラックスし、結果として 「身体の脱力」→「心のリラックス」 という状態が生まれるのです。
漸進的筋弛緩法の効果とは?
① 交感神経の興奮を抑え、ストレス軽減
緊張が続くと、交感神経が優位になり、常に体が「戦闘モード」になります。
PMRを行うことで副交感神経が活性化し、リラックス状態へと導かれます。
② 睡眠の質が向上
ある有名な心理学者は、「PMRを習得すれば、どんな状況でもスッと眠れる」と語っています。
緊張がほぐれることで入眠しやすくなり、深い睡眠が得られます。
③ 慢性的な肩こり・頭痛・腰痛の緩和
ストレスや緊張による筋肉のこわばりを和らげることで、肩こりや頭痛、腰痛の改善 にも効果的です。
④ 集中力・パフォーマンスの向上
スポーツ選手やビジネスパーソンが取り入れているように、適度なリラクゼーションは集中力を高め、パフォーマンス向上につながります。
なぜ今、漸進的筋弛緩法が必要なのか?
現代社会は、高ストレス・過緊張の時代 です。
✔ 仕事のプレッシャー
✔ 長時間のスマホ・PC使用による眼精疲労
✔ 人間関係のストレス
✔ 睡眠不足
こうした要因が重なり、多くの人が 「交感神経優位=常に緊張状態」 になっています。
この状態が続くと…
✅ 慢性的な疲労感
✅ 肩こり・頭痛・不眠
✅ ストレスによるメンタル不調
といった問題を引き起こします。
そこで重要なのが、「日常的にリラクゼーションを取り入れること」 です。
しかも、効果が確かで、手軽にできる方法であることが重要!
PMRは、 自宅で簡単にできて、科学的に効果が証明されている ため、まさに理想的なリラクゼーション法と言えます。
「国民全員リラクゼーション推進」が健康寿命を延ばす?
近年、日本では 「健康寿命の延伸」 や 「医療費削減」 が重要な課題とされています。
実際、ストレスや緊張が原因で発生する 自律神経の乱れや慢性疾患(高血圧・心疾患・メンタル不調など) は、医療費の増加にもつながっています。
そこで、国民全員が日常的にリラクゼーションを実践すること が、健康寿命の延伸につながる可能性があります。
「日々の緊張を解きほぐすことが、最も簡単で効果的な健康法」 という考え方が、これからの時代には必要不可欠です。
まとめ:漸進的筋弛緩法(PMR)を習慣にしよう!
✔ 漸進的筋弛緩法(PMR)は、筋肉の「緊張と弛緩」を繰り返してリラックスを促す方法
✔ 科学的に効果が証明されており、ストレス軽減・睡眠改善・集中力向上に役立つ
✔ 過緊張社会の現代において、日常的なリラクゼーション習慣が重要
✔ 「国民全員リラクゼーション推進」によって、健康寿命の延伸・医療費削減が期待できる
おわりに

これは大学院生の先輩から「こんなテーマどう?」って勧められたのがきっかけ。
著書に書かれている「網様体賦活系」の文字が不思議と印象に残りました。もちろん、その意味は解る訳もなく。
しかし、大学時代の自分は、「体と心の結びつき」に関心があったのは事実。
その後、そもそもリラックスが苦手だった私は、リラクゼーションつまり脱力への関心が強くなっていきました。

漸進的リラクゼーションは、ある部分の筋肉を緊張させた後、力を抜く。これを個々の筋肉に対して順番に行っていきます。
筋肉、この場合骨格筋ですが、緊張すると、抑制の働きが起こって、そこで意図的に力を抜こうとすると、より弛緩する。その解緊によって、精神的な緊張が緩和していく。
という流れになっています。
ある高名な心理学者は、この方法に習熟することによって、どんなシチュエーションでも、この方法を使うと、スーッと眠れるようになったという話を聞いたのは、私が大学院の時でした。
このジェイコブソン先生の方法と理論は、科学的に脱力と解緊の仕組みを科学的に構築した、先駆けとなるものだと思います。
今でも、色々な領域で、活用されています。
時代が下るに連れて、脱力だとか、リラクゼーションだとか、に対する関心や必要性が高まる一方です。
それは社会の情勢によるところが大きいのは、衆目の一致するところですね。
高ストレス、過緊張、慢性的緊張、交感神経優位。

多くの健康問題や、心の問題の土壌が、正しくここに在ると言われます。
多くの人にとって、心の緊張状態を和らげる何かが必要。それも、日常的に行えて、効果が確かなものが。

それは、漸進的リラクゼーション法の様に、体へのアプローチによって、心の緊張を緩和するという仕組みに成り立つ方法であることがベターです。
健康寿命の延伸とか、医療費削減が叫ばれる中、「国民全員リラクゼーション推進」が、極めて重要ではないでしょうか。

ストレス社会を生き抜くために、今日から「漸進的筋弛緩法」 を試してみませんか?
コメント