Vol.17 鵞足炎のお話

「最近、膝の内側が痛むんだよね…」

もしあなたがそう感じているなら、もしかしたら「鵞足炎」かもしれません。鵞足炎って、ちょっと聞き慣れない名前かもしれないけど、実は多くの人が悩んでいる膝の痛みの原因の一つなんです。

「でも、鵞足炎ってどんな症状なの?どうすれば治るの?」

そんな疑問をお持ちのあなたのために、今回は鵞足炎について詳しくお話しします。

鵞足炎は、膝の内側にある「鵞足」と呼ばれる部分に炎症が起こる疾患です。鵞足って、なんだか可愛い名前ですよね?ガチョウの足に似ているから、そう呼ばれているんだとか。

この鵞足部分には、3つの筋肉(縫工筋、薄筋、半腱様筋)の腱が付着していて、これらの筋肉は膝を曲げたり、内側に捻ったりする動作に関わっています。

だから、これらの筋肉が硬くなったり、使いすぎたりすると、鵞足部分に炎症が起こって、痛みが生じてしまうんです。

鵞足炎の主な原因は、こんなことが考えられます。

  • オーバーユース(使いすぎ):ランニングやジャンプ、サッカーなど、膝を酷使するスポーツをしている人は要注意!
  • 筋肉の柔軟性低下:特に腿裏の筋肉(ハムストリングス)が硬いと、鵞足に負担がかかりやすいんです。
  • 加齢:年齢を重ねると、筋肉や腱の柔軟性が低下して、鵞足炎のリスクが高まります。
  • 急な運動:準備運動をせずにいきなり運動を始めると、筋肉や腱を痛めてしまうことがあります。

もし鵞足炎になってしまったら、こんな治療法があります。

  • 安静:まずは膝を休ませて、炎症を鎮めましょう。
  • アイシング:患部を冷やすことで、炎症や痛みを和らげます。
  • ストレッチ:ハムストリングスや鵞足部分のストレッチは、痛みの緩和に効果的です。
  • 筋膜リリース:硬くなった筋肉や筋膜を緩めることで、痛みが軽減します。
  • 薬物療法:痛みや炎症がひどい場合は、湿布や鎮痛薬を使うこともあります。
  • リハビリ:痛みが引いたら、徐々に運動を再開して、筋力や柔軟性を回復させましょう。

鵞足炎にならないためには、こんなことに気をつけましょう。

  • 運動前後のストレッチ:運動前にしっかりとストレッチをして、筋肉を柔軟に保ちましょう。
  • 運動強度や時間を徐々に上げる:いきなりハードな運動をするのはNG!徐々に強度や時間を上げていきましょう。
  • O脚やX脚の矯正:O脚やX脚が気になる人は、専門家に相談してみましょう。
  • 適切なシューズを選ぶ:足に合ったシューズを選ぶことも、膝への負担を軽減するために大切です。
  • 疲労が溜まったら、休息を取る:無理せず、しっかりと休息を取ることも大切です。

鵞足炎(ガソクエン)という名称は、かなりポピュラーになってきましたかね~。

膝の痛みが起きます。
膝が痛くなる原因は色々とあります。

学生時代に聞いたお話があります。

とある女子スキー選手のお話。膝の痛みが発症した。整形外科を受診したところ、半月板の損傷だろうとの診断を受けた。手術が必要と。その選手はセカンドオピニオンを求めて、他の病院を受診。やはり半月板損傷で、手術適応と。そこで、やむなく手術に踏み切ったそうです。術後、その症状はというと、相変わらず痛みがあった。そこでさらに別の病院を受診。そこでの診断は、鵞足炎。ストレッチングが効果的だと。

そして、彼女はストレッチングをやっていったら、痛みが消えた。
でも、摘出した半月板は、戻ってこない。。。

当時はまだまだ、鵞足炎に対する認識が広くなかったのでしょう。確かに、以前のスポーツ医学のテキストには、鵞足炎は記されていなかったですね。

半腱様筋そして半膜様筋が硬縮するのが、鵞足炎の誘因となるとされています。これらの筋群は、内側ハムストリングスと呼ばれます。腿の裏側の内側より。

鵞足とは、内側ハムストリングスが膝蓋骨つまり膝のお皿のすぐ下にくっつく部分の名称です。

内側ハムストリングスが硬縮することによって、この部分に炎症が起こります。
アスリートにも多いですし、中高年齢者含めて一般の方々でも多く見られます。

鵞足炎で膝の痛みが出ている人の腿の裏に触れてみると、確かに、内側ハムストリングスに沿って、硬くなっているのが解ります。だから、その部分をストレッチングで伸ばしたり、マッサージをしたりします。

ここで、筋膜に注目

内側ハムストリングスの筋膜にリリースをかけると、効率良く和らげることが可能です。 膝痛に悩む人は、たいへん多いですね。その痛みを誘発している筋肉や靭帯や腱も色々。でも、それらの筋肉,靭帯,腱のどれかの筋膜をリリースすると、良い効果が現れることは少なくありません。

早期発見、早期治療が、鵞足炎を早く治すための鍵となります。

「もしかして、私も鵞足炎かも?」

そう思ったあなたは、ぜひ今日から膝のケアを始めてみてくださいね!

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