Vol.19 旧ソ連の遺産

現代女性は、仕事や家事、育児に追われ、常に忙しい毎日を送っています。そんな中、「疲れが取れない」「休んでもスッキリしない」と感じることはありませんか?

実は、ただじっと休むよりも「アクティブレスト(積極的休息)」を取り入れた方が、効率よく疲労を回復できることが科学的に証明されています。

アクティブレストとは、完全に休むのではなく、軽い運動やストレッチを取り入れることで、体の回復を促進する休息方法です。

この概念は、旧ソ連(現在のロシア)で行われたスポーツ科学の研究によって明らかになりました。

例えば、次のような実験があります。

  1. パターン1:右腕でアームカール(ダンベルを持ち上げる運動)をした後、完全に休む。
  2. パターン2:右腕でアームカールをした後、左腕で軽い運動をしてから再び右腕でアームカールを行う。

結果は、パターン2の方が再びアームカールを行った際のパフォーマンスが向上したのです。

つまり、完全に休むよりも、軽く体を動かした方が回復が早い ということがわかりました。

この研究結果を元に、現在のスポーツの世界では、試合やトレーニング後のクールダウン(軽いジョギングやストレッチ)が推奨されるようになりました。

「仕事や家事が忙しくて運動する時間がない…」という方も大丈夫。日常生活の中で簡単に取り入れられるアクティブレストの方法をご紹介します。

1. デスクワーク中にストレッチ

長時間座りっぱなしだと血流が滞り、疲れが溜まりやすくなります。以下のようなストレッチを取り入れてみましょう。

  • 肩をすくめて5秒キープ→力を抜く(3回繰り返し)
  • 両手を上げて伸びをする(5秒キープ)
  • 座ったまま足首を回す

2. 軽いウォーキング

疲れた時こそ、あえて散歩に出るのも効果的です。特に、

  • 食後に10分間のウォーキング
  • 仕事の合間に外の空気を吸いながら歩く といった習慣をつけると、疲労回復だけでなくリフレッシュ効果も期待できます。

3. お風呂での簡単ストレッチ

入浴中は血流が良くなるため、筋肉をほぐすのに最適です。

  • 湯船の中で膝を抱えて前後にゆっくり揺れる
  • 足首を回す
  • 肩甲骨を寄せるように両肩を回す

ついつい疲れた時にスマホを見てダラダラしてしまうことはありませんか?

実は、スマホを長時間見ることは目の疲れや首・肩こりの原因となり、逆に疲労を悪化させることがあります。

「休む=何もしない」ではなく、心地よく体を動かすことで、より早く疲労回復できるのです。

忙しい女性こそ、日常の中で「アクティブレスト」を取り入れて、スッキリとした毎日を送りましょう!。

「疲れたら休む」という固定概念を捨てて、あなたもアクティブレストを試してみませんか?

アクティブレストを取り入れることで、慢性疲労を解消し、毎日をもっと快適に過ごせるはずです。

今はロシア。その昔は、ソビエト社会主義共和国連邦。通称ソ連。
私の様なかなりの年輪を重ねた者には、ソ連という名称が、まだ馴染みがあるような気もしないではない。

そのソ連は、アメリカと宇宙開発のデッドヒートをした。先に有人宇宙飛行船を飛ばしたのはソ連。これがアメリ
に物凄い衝撃を与えたのだということは、当時子供だった私は、まったく知る由もなかった。結局、先に人間が月に降り立ったのは、アメリカ。

この宇宙開発の中で、人間に関する研究が、様々行われました。特に、ソ連が明らかにしたり開発したものが、注目されました。それらは、医科学的に、スポーツ科学的に、貴重な研究の結果でした。

その中でも、アクティブレスト(積極的休息)の概念は、とても興味深く、また大切な意味を含んでいますね。特に、今の多くの人たちが抱える慢性疲労に対して、示唆を与えてくてるものです。


旧ソ連が行った実験というのは、以下の様な内容です。

例えばアームカール。

〈パターン1〉
まず右腕でアームカールをする。その後、レスト(休息)を入れて、再び右腕でアームカールをする。

〈パターン2〉
まずアームカールをする。その後、左腕で何かの軽い運動をする。そして、再び右腕でアームカールをする。

結果は、パターン2の方が、再度アームカールをした時のパフォーマンスが良かった

要するに、ただ休むよりも、別の何かをやった方が、よく回復したということです。

こうした研究結果から、スポーツの世界では、練習や試合の後、クールダウン(ウォームダウンとも言います)として、軽いジョギングなどを行うようになりました。

疲れを癒すためには、ただ休むよりも、何か他のことをしてから休む。これが効果的だということですね。

この時に、身体へ刺激を与えることで、疲労の回復を、より促進することができます。それは、単なる気晴らしを超えた、疲労回復効果です。

疲れた時、すぐにスマホで動画を観て気晴らしよりも、心地よく身体を動かすとか、心地よい施術を受けるとか。

慢性疲労対策の重要アイテムですね。

筆者:竹内 研(一般社団法人日本メディセル療法協会理事・学術委員長)

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