ワンコはお手入れが好き?嫌い?科学が教えるグルーミングのストレスと快適性

「うちのワンコ達…ブラッシングは好きみたいだけど、お風呂や爪切りはすごく嫌がる…」

そんなワンコ達の反応に悩んだことはありませんか?

京都大学の藤田和生教授らの研究チームは、ワンコのグルーミング中の行動や生理的反応を科学的に調査し、ストレスや快適性との関係を分析しました。

その結果、ワンコ達はグルーミングの種類によって異なるストレス反応 を示し、やり方次第でリラックス度が大きく変わることが明らかになりました。

グルーミング(毛づくろいやお手入れ)は、犬の健康を保つために欠かせません。
しかし、犬によってはブラッシングを喜ぶ子もいれば、シャンプーや爪切りを嫌がる子も います。

この研究では、

◆ グルーミング中のワンコの行動を観察し、どの作業がストレスになるのか?
◆ 心拍数やホルモン変化を測定し、生理的ストレス反応を調べる
◆ ワンコが快適にグルーミングを受けるにはどんな工夫が必要か?

を明らかにすることを目的としました。

研究チームは、異なるグルーミング作業(ブラッシング・シャンプー・爪切り)を行い、ワンコの行動と生理的変化を測定 しました。

① ワンコの行動を観察

 • リラックスした表情や行動
→ 目を細める、ゆっくりした動作、体を預ける

 • ストレスを感じているサイン
→ 口を舐める、あくびをする、耳を伏せる、体をこわばらせる

② 生理的ストレス反応の測定

 • 心拍数(ドキドキしているか?)
→ ストレスを感じると心拍数が上昇

 • コルチゾール(ストレスホルモン)レベルの変化
→ ストレスが高いとコルチゾールが増加

これらのデータをもとに、ワンコたちがどのグルーミング作業を快適に感じ、どれがストレスになりやすいのか を分析しました。

✔ ブラッシングは最もリラックスしやすい!

 • ほとんどのワンコたちは、優しくブラッシングされると目を細め、体をリラックスさせる
• 心拍数が安定し、ストレスホルモン(コルチゾール)の上昇がほぼ見られない
 • 適切なブラッシングはワンコたちにとって気持ちよく、リラックス効果がある!

✔ シャンプーはワンコたちによってストレスの差が大きい

 • 水を怖がるワンコはストレス反応が強く、心拍数とコルチゾールが上昇
 • すでに水に慣れているワンコはリラックスして受け入れやすい
 • お湯の温度や洗い方で快適性が大きく変わる

✔ 爪切りはほとんどの犬にとってストレスが大きい!

 • 研究対象のほぼ全てのワンコが 口を舐める・耳を伏せる・体をこわばらせる などのストレスサインを示した
 • 心拍数とストレスホルモンの急上昇が確認された
 • 爪切りはワンコにとって「本能的に怖い作業」になりやすい ことが分かった

この研究結果から、ワンコたちにとってグルーミングをより快適にするためには、以下の工夫が重要だと分かりました。

① ブラッシングは優しく、こまめに!

・短時間で終わらせるより、リラックスできるようにゆっくり丁寧に
・痛みを感じさせないよう、適切なブラシを選ぶ(毛質に合ったものを使用)

② シャンプーは「水に慣れさせる工夫」が重要!

・ いきなり全身を濡らさず、足元からゆっくり慣らす
・ お湯の温度は38~40℃程度(ぬるめが快適)
・ シャワーの音や水圧が怖いワンコには、静かに流せるカップを使う

③ 爪切りは「無理せず慎重に」!

・ 一度に全部切ろうとせず、1~2本ずつ短時間で終わらせる
・ 爪切り後におやつをあげるなど「いいことがある」と学習させる
・ 苦手な場合はプロのトリマーや獣医に任せるのも◎

④ マッサージを取り入れてリラックス効果アップ!

・グルーミングの際に、首元や背中を優しくマッサージするとワンコのリラックス効果が高まります。特に爪切りやシャンプーの前後にマッサージを加えると、嫌な作業の印象を和らげることができます。

京都大学の藤田和生教授らの研究によって、ワンコたちはグルーミングの種類によって異なるストレス反応を示すことが明らかに なりました。その子たちの生活環境や性格によるところも大きく、もしかしたらグルーミングを担当するヒトによっても評価は分かれるかもしれません。

まとめてみると

・ ブラッシングはほとんどの犬がリラックスできる
・ シャンプーは水に慣れているかどうかでストレスが変わる
・ 爪切りはほぼ全ての犬にとってストレスが大きい

この先のワンコたちの健康を守るためにも、グルーミングをできるだけ快適なものにするためには飼い主さんたちのお家での接し方の工夫も大切になってくると思います。

ぜひこの研究結果を参考にして、お家のワンコたちががリラックスできるグルーミング方法を取り入れてみてくださいね!

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