草や便を食べる原因は!?東洋医学的な視点でワンコの不調を感じる方法

お散歩中に草をムシャムシャ…時には便まで口にしてしまう。
そんなワンコの行動に、戸惑いや不安を感じたことはありませんか?

「しつけの問題?」
「栄養不足?」

と考えがちですが、実は東洋医学的に見ると“ある体の不調”のサインかもしれません。

現代医学では原因不明とされる行動も、東洋医学では「胃熱(いねつ)」という概念で説明できる場合があります。体に熱がこもることで、ワンコが草や昆虫を食べたがるのは、体内の熱を冷まし不快感を和らげる“自己調整行動”のひとつなのかもしれないのです。

本記事では、草や便、石などの異物を口にするワンコの行動について、東洋医学的な視点でわかりやすく解説しています。原因となる「胃熱」の状態、食事の見直しポイント、チェックすべき体のサインなどを具体例を交えてご紹介。

読み終える頃には「うちの子の気になる行動」が、“ちゃんと意味のあるSOS”だとわかるようになるかもしれません。
ワンコの健康を守るための第一歩として、ぜひ最後まで読んでみてください。

ワンコが草や便を食べる理由は「胃熱」のサインかも!?

ワンコが草や便、さらには昆虫や小石までを食べる行動

──それは単なる癖やしつけの問題ではなく、東洋医学でいうところの「胃熱(いねつ)」の現れである可能性が高いのです。つまり、体の中にこもった熱が、異物を食べるという形でSOSとして現れているかもしれないのです。

「草を食べて吐いたからスッキリしたんだろう」
「便を食べるのは困った癖だから叱れば直るはず」

と思っていたら要注意。

これは、ワンコ自身が「ムカムカする」「気持ち悪い」と感じたときに、自らを助けようとしてとる“本能的な行動”だと東洋医学的な観点から言われています。

胃の中にこもる熱=「胃熱」は、日常的に摂っている食事や、体調の変化、季節的な影響によって引き起こされることが多いです。この“内なる熱”を放っておくと、行動の異常だけでなく、口の周りのトラブルや皮膚の炎症、アレルギーと診断されることも多くなく、不調にもつながることがあります。

ワンコが発するサインを見逃さず、「なぜ草を食べるのか?」という問いを通して、体の声に耳を傾けてあげましょう。

なぜ胃熱がワンコに現れるのか?その理由を東洋医学の目線で見てみましょう!

「胃熱」という考え方は東洋医学ならではの体質視点

東洋医学では、体のバランスを「気・血・水」の巡りとして捉え、臓腑ごとのエネルギー過多・不足や滞りが、あらゆる不調の原因とされます。「胃熱」とは、胃に熱(エネルギー)がこもって炎症状態になっていることかも。

この状態になると、ワンコの体はその熱を何とかして外に出そうと働きます。
結果、草や先のとがった植物、昆虫の抜け殻、ミミズの干からびたものまでを食べたくなる衝動が出るのです。

中医学では、これらの自然物は“清熱”といって熱を冷ます役割があるとされ、まさにワンコは「本能的に解熱剤を探している」ような状態だと考えられます。

日常の食事が“熱”を生んでいることも

特に注意したいのが、毎日与えている食事の内容です。鹿肉、ラム肉、鶏レバーなどの「温める性質の強い食材(温性・熱性)」は、胃熱を助長しやすい食材の代表格だと言われています。

たとえば、

  • 鹿肉ベースのフードを毎日食べている
  • 冬に体を温めようと脂肪分の多いごはんを多めにしている
  • サプリメントを多用している

こういったケースでは、知らず知らずのうちにワンコ達の体に熱がたまり、「胃熱状態」へと傾いていくリスクがあると考えられるのです。

草や便を食べるワンコの実例と、飼い主ができるケア

日常で見かける“異物摂取”行動の意味

ワンコが道端の草を選んで食べるとき、実は「とがった形の草」や「先端が尖っている葉」を狙って選んでいることがあります。これは、胃の中でムカムカする感覚を和らげるために、意図的に“胃を刺激する形状”のものを選んでいる可能性が高いのです。

また、セミの抜け殻、脂肪分の多いごはん、さらには石や小さな木片など

──いわゆる“食べるものではないもの”を口にしてしまう子も多く見られます。実はこれら、東洋医学では漢方素材として使われるケースもあり、「熱を冷ます」「詰まりを解消する」といった作用を持つものなんです。

つまり、ワンコたちは「自分で自分の不快感をどうにかしようとしている」んですね。
本能的な知恵、驚きですよね。

飼い主としては、こうした行動を“困った癖”として叱ってしまいがちですが…
「なぜこの子は草を食べているのか?」という根本を観察する視点がとても大切だとは思いませんか?

見落とされがちな「体のサイン」も要チェック

胃熱の影響は、行動だけでなく見た目や触感でも確認できます。
もし、以下のような状態が見られれば、胃熱のサインと考えても良いかもしれません。

  • 口の周りが赤くなったり、茶色く変色している(ヒゲ焼け)
  • 口のまわりや胸元をしきりに掻いたり舐める
  • 顔の周りをこすりつけたり、物にグリグリする
  • 肋骨の後ろあたり(胃の経絡)が張っている・熱い
  • 背中や脇腹の毛の色が変わっている
  • 触れると嫌がる・怒る場所がある

特に「シュナウザー」や「柴犬」などは、胃熱が体に表れやすい犬種としても知られています。愛犬の毛色や舐め癖、皮膚トラブルが気になっている飼い主さんは、食事や環境を見直すサインかもしれません。

今日からできる!胃熱対策の食事とケアアドバイス

では、胃熱が疑われるとき、飼い主として何ができるのでしょうか?ここからは、今日から取り入れられる具体的なケア方法をご紹介します。

✅ 食事の見直し

  • 温める食材(鹿肉・ラム・鶏レバーなど)を一時的に控える
  • 涼性・寒性の食材(白身魚、豆腐、小松菜、セロリ、きゅうりなど)を取り入れる
  • ドライフードの見直し。成分に“温性肉類”が偏っていないか確認する

✅ 胃熱を冷ます手作りスープ(例)

textコピーする編集する材料:大根、白菜、小松菜、白身魚
煮込み時間:10分
味付け:なし(常温で提供)

→ 週に2〜3回程度、普段のフードにトッピング

✅ 触診&おうちマッサージで熱チェック

  • 肋骨の後ろ側〜背中中央を軽く触る
  • 熱い、張っている、毛色が変わっている、怒る場所がある=胃熱の可能性大
  • ピンポイントで指圧したり、やさしく撫でるだけでも循環が改善される

こうした小さな積み重ねが、ワンコの体調を大きく左右します。「胃熱をつくらない暮らし方」にシフトするだけで、草を食べる行動が自然と収まっていくケースも多いと言われているのです。

ワンコの“草を食べる行動”は、体からの大事なメッセージ

草や便、昆虫などを食べる行動

──これは「変なクセ」や「いたずら」ではなく、ワンコが“体の中の熱”をどうにかしたくてとっている本能的な行動かもしれません。
東洋医学の視点で見ると、それは「胃熱」という内側の不調の現れだと言われています。

毎日のごはん、季節の変化、ストレスなど、原因はひとつではないかもしれません。けれど、ワンコたちは言葉を持たないからこそ、「草を食べる」という行動で“ムカムカするよ、何とかして”と必死に伝えてくれているのです。

この行動に気づけたときこそ、ケアのチャンス。

飼い主が少し目線を変えることで、ワンコの不快感を軽減し、より健やかな生活をサポートすることができるのです。

草や便を食べる行動の本当の意味に気づくとき

ワンコの異物摂取

──それは単なるしつけの問題ではなく、体のバランスの乱れ、特に「胃熱」という状態が影響している可能性が高い行動です。

この記事でお伝えしたように、

  • 胃に熱がこもることで、草や昆虫を食べて熱を冷まそうとする
  • 食事や気候、体質が胃熱を引き起こすことがある
  • 行動だけでなく、皮膚・口周り・背中のサインにも注目すべき
  • 飼い主ができる日常ケアや食事の見直しで、行動は大きく改善する

こうした理解を持つことで、「うちの子、草を食べるから困ったなぁ…」から「この子の体、今どこかにムリがかかってるんだな」と思いやれる視点に変わっていきます。

では、あなたのワンコはなぜ草を食べているのでしょうか?

その行動の裏にある体の声に、今こそ耳を傾けてあげてください。
体の内側から整えていく東洋医学的なケアは、言葉にできない不調に寄り添う、とてもやさしい選択になるのです。

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